自律する子の育て方ー自分で考え行動する子を育てる”3つの言葉がけ”ー

 

子育ての最終終着点は何だろう。親の言う事をよく聞く子を育てる事だろうか?頭のいい子を育てる事だろうか?

そうではなく、幸せになる力、自分で人生を切り開く力を育てる。これが子育ての最大目標なのではないだろうか。

親が全部決めていたら自分で解決する力が身に付かず、人生の中で様々な困難にぶち当たり、つまずいてしまう。社会に出れば自分の力で問題を解決しなければならないのだ。

 

では自分で考え行動し、人生を切り拓く子どもを育てるにはどうすれば良いか。

まずは親が指図するのでは無く、子ども自身に考えさせて問題解決能力を鍛える。親は選択肢を与えるのみで最後は子供が決める。それを繰り返し、失敗を経験しながら人生を幸せにする方法を身につけていく。この過程の具体的な方法として、

●自律する子を育てるのに効果的な3つの言葉がけ

●子育ての考え方を示す「デンマークサッカー協会の10箇条」

などが本書「自律する子の育て方」に書かれているため、紹介する。

 

 

 

●自律する子を育てる3つの言葉がけ

【どうしたの?どうしたい?何かできる事はある?】→この3つの言葉を繰り返しかけていく。

 

◯1つ目の「どうしたの?」では、自分がしでかした事を叱らずに受け止めてくれたと感じる→ 問題の解決方法を考える余白ができる

 

例えば、麹町中では授業中に教室を抜け出す生徒がいたという。その生徒を見つけた際、先生は生徒を責めるのではなく「どうしたの?」と声をかけた。叱られると思っていた生徒は拍子抜けしたと同時に、授業を抜け出してしまうような自分を受け止めてくれたと感じたようだ。

そして叱られる事を考えずに済み、受け止めてくれたと感じた事で、現状の解決方法を考える余白が生まれる。

もしここで頭ごなしに叱ってしまうと、「この状態から早く逃れたい」としか考えられなくなる。すると問題解決には至らず、同じことを繰り返してしまう。

 

 

 

◯2つ目の言葉「どうしたい?」という言葉がけでは、問題を解決する方法はないか、自分で考えるようになる。

また大人が勝手に決めたりしないので、自分の意志が尊重されていると子どもは感じる。

 

 

◯3つ目の言葉「何か出来ることはある?」

2つ目の「どうしたい?」で案が子どもから出ない場合、大人が提案し、子どもに選んでもらう→  自己決定で納得して行動できる

 

この時大事なのは、必ず子どもに決めてもらう事。どんな支援を受けるか、そもそも支援を受けるかどうかは子どもが決める事。大人が決める事ではない。

先程の麹町中の例でいうと、「我慢して授業を受けるか、別室にいるか」を先生が提案し、別室にいることを子どもが選択した。この時もし無理矢理連れ戻したとしても、自分自身が納得できていないと同じ事を繰り返してしまう。自分で決めると、納得して素直に教室に戻れる。

 

→この言葉がけで、自ら「保健室に行っても良いですか」と代替案?を出すようになる。問題の解決方法を自分で考えるようになる。

 

 

 

デンマークのサッカー協会10箇条

 

①子どもたちはあなたのものではない

②子どもたちはサッカーに夢中だ

③子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる

④子どもたちから求められることはあってもあなたから求めてはいけない。

⑤あなたの欲望を子どもたちを介して満たしてはならない。

⑥アドバイスはしてもあなたの考えを押し付けてはいけない。

⑦子どもの体を守ること。しかし子どもたちの魂まで踏み込んではいけない。

⑧コーチは子どもの心になること。しかし子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない。

⑨コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ。

⑩コーチは子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

メタ認知と内省の違いとは?→視点の違い。内省は現時点だけを見る。メタは過去の出来事から、自分の思考傾向を把握したり解決策を考えること。

・勉強とは、分からないを分かるに変える事。

・自分の考えでは絶対ではない。様々な考えがある事を知り、受け止める。つまりは多様性。

・日本の子どもは大人が指示をし過ぎて、自分で考える機会を奪われている。そのため能動的、自発的に学ぼうとしない子が多いよう?

まとめ・自分で考え行動できる子を育てるのが子育て。親の支持通りに動く従順な子を育てるのでは無く、自分で問題を解決でき、未来を切り開いていく力を持つ子を育てる。

いつまでも親が傍にいる訳ではないから。子どもは親の所有物ではないから。自分の人生は自分で歩むしかないから。